福岡県知事指定特産工芸品
-甘木絞り-
朝倉市が誇る、 福岡県知事指定特産工芸品 「甘木絞り」。
甘木絞りは、木綿布を糸で括って藍染めをする絞り染めです。
甘木絞りが最初に文献に登場するのは江戸時代、18世紀後半のことです。
続く明治時代から大正時代の最盛期には日本最大の生産量を誇りました。
しかし、大恐慌や戦時下の物資統制などにより産業としては姿を消します。
産業として消滅するものの、その伝統技術は個人により受け継がれ、1995年に復元に成功。
現在、途絶える以前の技術や技法を十分に継承しつつ、現代における甘木絞りの表現の可能性を探求しながら製作を行っています。
甘木絞りは福岡県知事指定特産工芸品です
福岡県では、郷土色豊かで、技術・技法が50年以上の歴史を有する伝統的な民芸品・工芸品を、県知事指定特産民工芸品として指定し、伝統産業の振興に取り組んでいます。
甘木絞りは2024年(令和6年)9月10日に、県知事指定特産工芸品として指定を受けました。
福岡県庁ホームページ|『「甘木絞りを新たに県知事指定特産工芸品に指定』
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/press-release/amagishibori-specify.html
『福岡県公報』令和6年9月10日 第529号
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/attachment/230922.pdf
●県知事指定特産工芸品指定発表会の動画●
NHK|福岡 WEB NEWS
https://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20240909/5010025561.html
TBS NEWS DIG|RKB毎日放送
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1415808
江戸時代から続く歴史
甘木絞りは糸で括って防染し、藍で染めることを基本とした、福岡県旧甘木市(現在の朝倉市)で作られた絞り染めです。
絞り染めをした布は主に日常的な服飾製品、室内装飾品の製作に用いられました。
その歴史は古く、18世紀後半から 産業として成立し、博多絞りとともに筑前絞りとして明治時代から大正時代にかけての最盛期には日本一の生産量を誇り、販路は国内のみならず海外へも輸出されました。
しかし、世界的不況や太平洋戦争中の綿糸の統制により、戦後の洋装化等で製造が途切れ、1951年ごろには産業としては途絶えます。
<木綿地城郭風景文着物>
明治時代
甘木歴史資料館蔵
<出典>
『九州絞り大全~甘木絞りと博多絞りを中心に~』2017年10月11日発行 甘木歴史資料館
『甘木歴史資料館だより「温故」第61号』2020年10月3日発行 甘木歴史資料館
伝統技術の復興と未来へ
産業としては姿を消したものの、個人の活動として甘木絞りの技術は脈々と受け継がれました。
途絶える以前より甘木絞りに携わった柳原嘉子氏を指導者に迎え、1995年に甘木絞り保存会を発足し、甘木絞りの要件を満たした復元に成功。
現在、4つの甘木絞り団体及び個人が活動し、2015年にはこれらをとりまとめる甘木絞り連絡協議会を発足させました。
途絶える以前の技術や技法を十分に継承しながら、現代における甘木絞りの表現の可能性を探求しています。
<サンクチュアリ-甘木絞りにて->
中村美香
甘木絞りの技法
伝統的絞り技法として、「鹿の子絞り」「帽子絞り」「平縫い巻き上げ絞り」「三浦絞り」「白影絞り」を用い、これらの技法の補足として、「平縫い引き締め絞り」「折り縫い絞り」「合わせ折り縫い絞り」「杢目絞り」を用いることを基本としています。
すべての絞り技法で「針」と「糸」を用います。
染色は藍染めを基本としています。
歴史が始まる江戸時代後期から現在にいたるまで、一貫して全て手作業で行っています。
画像出典:『甘木歴史資料館だより「温故」第61号』
甘木絞りの表現
甘木絞りの最大の表現の特徴は、線描を主体とした絵画的な文様や、図案化した連続文様にあります。
一般的に絞り染めは、鹿の子や三浦総絞りに代表されるように、絞りによって面を埋め尽くす文様が多くなっています。また、多くの絞りの技法を組み合わせて幾何学的・抽象的な文様も数多く見られます。
一方、甘木絞りで用いられる絞り技法は限られています。この限られた絞り技法をいかに効果的に用いて、絵や文様を描いていくか、これこそが甘木絞りの最大の魅力です。
<梅ヶ谷> 野田眞良
<出典>『甘木歴史資料館だより「温故」第61号』2020年10月3日発行 甘木歴史資料館
© 2024 甘木絞り連絡協議会